EVER BREWへの入社、そして独立。~独立を考えている人たちに向けてのメッセージ~②
「EVER BREW入社までの経緯」
高校時代から漠然と飲食業界で働きたい夢があって、卒業後に上京して会員制の飲食店で働きました。スタッフもお客さまも海外の方が多くて、その影響で23歳の時に単身ヨーロッパへ。3か月間でイギリス、スコットランド、フランス、スペイン、モロッコなど12か国の旅をしました。ヒッチハイクしたり、ゲストハウスに泊まったり…日本ではなかなか経験できないことをしてきました。
帰国してインターネットで求人サイトを見たら、赤坂サカスの「デリリウムカフェ」でオープニングスタッフを募集していたんです。ベルギービールがどのようなお酒なのか、ほとんど知識がなく応募しました。海外に関係する飲食店に興味があったのと、赤坂サカスという立地に惹かれて…(笑)。
「EVER BREWでのエピソード」

新人研修でベルギービールの特徴を学んでいた時ですね。同期数人とカウンターに座って、10種類を飲み比べる研修でした。でも、私たちは知識がないので、表現もすべて「フルーティーですね」しか言えなくて(笑)。後ろで見ていたシャツとジーパン姿の男の人が、突然カウンターに入ってきて、熱く10種の違いを語りだしたんです。産地の話、醸造家の考え方やキャラクターとか…それがEVER BREW社長の菅原さんとの出会いでした。
「本気でベルギービールが好きなんだな」と分かるほど、専門分野に長けていて説得力がありました。情熱が伝わってきたんです。…その時に気づきましたね。人を納得させたり、人の心を動かすって、知識や経験も大事だけれども、何よりも“熱量”が大事なんだと。ベルギービールの産地の様子、誰がつくって、どれだけ苦労して日本に輸入しているのか…「フルーティー」の一言では表現しきれない各銘柄の“ストーリー”が届いてきました。
それからは、赤坂サカスという立地の興味よりも、ベルギービールそれぞれの“ストーリー”を把握して、自分の言葉でお客さまにおすすめすることが面白くなりましたね。専門性を活かして働くことの楽しさを学びました。EVER BREWは単に働く場所なのではなくて、自分に必要な“気づき”がたくさん得られる場所なんです。
「EVER BREWで学んだこと」
新しいことに対して、意欲的に開拓していく姿勢を学びました。当時、EVER BREWは取り扱う銘柄を増やしていた頃でした。私が年に1~2か月ほど海外旅行をするタイミングで、社長の菅原さんが直々に醸造場まで行かれることもあって、現地に一緒に連れて行ってもらうことがありました。取り扱いが可能になるまで何度も足を運んだり、苦労して醸造家とコンタクトを取っていたのを間近で見ていたんです。
菅原さんを中心に、EVER BREWという会社の“夢を叶えていく経緯”を見られたことは、とても貴重だったと思っています。だからこそ、赤坂店で3年間勤務していて、みんなが苦労して取引を始めたベルギービールをお客さまが喜んで下さった時が嬉しかった。もっと喜んでもらいたいと考えたら「自分でビールをつくってみたい」という答えに行きついたんです。27歳の時にEVER BREWを卒業して、1年ほどドイツとベルギーの醸造場で修業させてもらいました。
「独立で学んだこと」

自分の叶えたいことを実現化させるには、あらゆる人たちと“良好な関係を築くこと“が大切だと思います。実際にお店を出すと決めた時、豊橋では専門店を出すのは難しいのではないかと周りから心配されました。でも、自分としてはベルギービールが好きですし、今まで培ってきたフィールドで挑戦してみたかったんです。
その時はEVER BREWや菅原さんの存在は大きかったですね。今もベルギービールはEVER BREWから仕入れさせてもらっていますし、独立してお店を出す自分にとっては業界の先輩であり、お手本のような存在。最初の頃は、豊橋の地域の方々やお客さまと“有効な関係”をつくっていけるよう意識しましたね。
「独立を目指すコレガス(仲間)にアドバイス」
EVER BREWは、海外に興味のある人や海外生活をしていた人も大勢働いているので、日本にいながら自分の視野を広げるいいチャンスだと思います。
先輩:大川さんが語る「独立までに修得しておきたい3つのスキル」
- 1.「この人のお店なら行ってみたい」と思われる人になること独立すると、お客さまがお店に足を運んでくれることのありがたさや大変さを痛感します。今、一緒に働いているコレガス、デリリウムカフェに来られるお客さまも、独立したらすべて自分の“お客さま”になるものだと意識して、日頃から行動して下さい。
- 2.醸造家や生産者と距離を縮めておくことベルギービールや食材それぞれの“ストーリー”を感じて、お客さまにアピールできるようになってほしい。単なる“モノ”ではなく、お客さまに届くまでに関わる人たちの想いも一緒に届けてほしいです。
- 3.グローバルな視野を持つことEVER BREWは海外のお客さま、醸造家、生産者との接点もあります。コレガスも海外生活経験者も多いので、価値観や発想の違いに興味を持って取り組むといいと思います。
「今後の目標」
2013年にオープンした「シンノスケ・オー」は、現在、豊橋と浜松の2店舗ですが、4年後には計5店舗にしたいと目標設定しています。地元・豊橋店においては、まちのイベントにも積極的に参加しています。
10年後の目標として、地元に「ベルギービール」「クラフトビール」を根付かせたいんです。それにはまず、何年も開催されている地元のイベントに出店することに意味があると思っています。今ある地に自分たちが染まっていって、しだいに豊橋に住む皆さんの日常に浸透するような店にしたいですね。
「ベルギービールにもそれぞれ“ストーリー”がある」と、EVER BREWの研修で教えてもらったように、「シンノスケ・オー」という店の“ストーリー”を地元・豊橋の皆さんにも届けて、感じ取ってもらえるよう頑張っています!